Logic Pro X で ミキシング 〜独特なステレオフェーダーに対して広がりを設定〜

いま、やっている作業のメモがわりにまとめて行こうと思っています。

たとえばモノラルのギタートラックがあります。

要望としては、

  • 1) センターに定位させて、ディレイで左右に広げたい。
  • 2) ヴォーカルも歌っているのでセンターよりも左右のディレイのほうが大きい
  • 3) 上記理由で、あまり邪魔にならないようにしたい
  • 4) 左右にはほかの楽器がいるので、左右のディレイはあまり広いところにいくとぶつかる(ので、狭めたい)

といったところ。

mixingimage
(メモ内ディレイ(2)のセンターに消えていくピンポンディレイは今回省略です)

1) は、普通に エフェクトバス経由で AUXフェーダー(オブジェクト)に送り、(センドリターン)AUXにディレイをぶっさし、ディレイタイム10〜20ms、フィードバック0%、出力は原音0%、ディレイ成分100%にしてできあがり

2) は、バスに送る方式を「プリフェーダー」にして、0dbで送り、広がったディレイの音はAUX側のフェーダーで操作。センターに定位する原音はもとのフェーダー。(プリフェーダーの解説は、Sleepfreaksさんの「ボコーダーの解説」が解りやすいと思います)

3) は、ヴォーカルトラックをソースにして、サイドチェーンコンプをかけるのが定石ですが、ある程度かたまってきたら、音質ではなく音量で勝負、ということでひたすらオートメーションを書くというのもアリ

のような手順で解決するも、4) のやり方が、Logic Pro では見えにくいのが、他のDAWとチョットちがうところ。

AUXのステレオフェーダーの挙動が、根本的にちがうのですね。

Logic Pro のステレオトラック(チャンネル)についているパンポットノブは、ステレオ定位ではなくて、ステレオの左右の音量バランスなのですね。

昔つかっていたティアックのアナログミキサーにも「PAN」ではなく「BAL」と書いてありました。

で、なにが困ったかというと、ディレイをアサインしたAUXのチャンネルは、従来のMTRやハードウェアHDR(とミキサーの組み合わせ)のようには(そのままでは)左右の広がりを調節できないということなのです。

で、ここで出てくるのがプラグイン「Direction Mixer」であります。

Direction Mixier

Direction Mixerの概要 – Logic Pro X エフェクト

コレを使えば、パラメータ「Spread」の値を1.00より小さくすることで、ステレオの広がりを狭めることができます。

…もちろん、ディレイプラグインによっては、そちらのほうで「Width」や「Spread」パラメータがついていて、左右の広がりを調整することができるものもあります。

そのほうが、簡単といえば簡単なのですが、僕の場合はディレイの後になんか挿して、それのステレオ感もまとめてしまいたかったりするので、こうすることが多いです。ステレオを細かく設定できるディレイを持っていないのもありますが。

音楽でも、ウェブデザインでも、プログラミングでも、ほぼ似た結果の得られる異なった手法が2つ3つ現れることが多いですが、特に音楽制作の場合は、常にどちらが絶対的にイイ!と言い切れるものでもありませんので、音質や内容を比較してみて、曲想に合致し、あるいは自分がより直感的に作業できる方式でやることが大事かと思います。

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