インプロと中間テストと私

リハビリ中
(写真は本文とあまり関係ありません)

高校生〜20代のころはかなり「練習の虫」だった。

それも、スケール練習とか、割と機会的な練習の。

おそらく、ギターや鍵盤という、多少メカニカルな楽器は、そもそも発音する技術というか、構造的な特徴をモノにするプロセスにも大いなる魅力(と苦痛)があるのではないだろうか。

私自身は、そういう「自由に弾けること」への執着が大きかったが、かたや、基本的なものを習得したら、もっとたくさんの曲をコピーしたり、「音楽的」なことに取り組んで、感性・感覚をリッチにしていく方向のプレイヤーもいる。どちらも表現にとっては重要な両輪なので、どっちがどっちということはないのであろう、というか後者のほうが実際は圧倒的に大切な局面のほうが多い。

ただ、自分としては、いつも、なんというか、メカもので言う「水陸両用」とかが好きで、ガンプラも「Gアーマー」とか、変形とか組み換えとか、そういう、いろんなシチュエーションに対応していくモノが好きだった。

(そういえば「いろプラ」という、多色成形のはしりだったキットで、1/250だかのGアーマーが出た時は非常に感動した。(1/144スケールのものがなんというか、独特のキットだった)小さいながら、設定通りの要素が詰め込まれていて、今おもえば、たいへん名作だったのではないかと思う。昔から、小さいなかにたくさんの要素が含まれて、世界としてはちょっと「閉じて」いる傾向があるものの、内容が豊かなもの、なんというか「小さな幕の内弁当」的なものに対する偏愛は強かったのだろう。)

中学校時代はバレーボール部だったが、試合も好きだが、パスの練習がなにより好きだった。特にオーバーハンドパスをどんだけいい音でカッコ良く「ボーン」と決めるか、とか、サーブをいかにカッコいいフォームで打つか、やら、スイッチして左手でスパイクを打てるようになる、といった、競技そのものよりも細かいことに主に熱中していた。

で、スケール練習だ。音楽は音階でできているものが多い。HR/HM系の速弾きとなれば特に。そしてそれはとどのつまり「全音・半音」の順列・組み合わせである部分が大きい。なので、あらゆるポジションで、もっともミニマムなところを習得しておけば、どんなことが来ても大丈夫ではないか、となり、大変熱中した。そしてそれは、いちおうの「器楽の最小単位」である怒涛のクロマティック練習にもなり、ひたすら半音階を行ったり来たりするマシーンのようになった。

はたまた、あらゆるハーモニーを手に入れたいと望み、たくさんのアルペジオ(分散和音によるフレーズ)を網羅的にやる。そしてリズムも、1小節、2小節、4小節、8小節をいろんなふうに分割して、あるいは変拍子、奇数連符(11連符の練習に「西中島南方」「雲雀丘花屋敷」を使うのは阪急宝塚線沿線ならでは(※1))などを、これまた網羅的にやるのが好きだった。これらも、特定の曲というわけではなく、自分なりのエチュードというか、音楽的にはけっこうギモンな感じの「フレーズの反復」に明け暮れる、といったものだった。

ヤンギー(※2)などで紹介されている必殺リックも、どんなキーででも演奏できるように移調したり違うポジションで弾いたり、という研究が好きだった。

そのかわり、完コピはおろか、あまり曲の練習に熱心ではなかった部分があり、ミストーンの多さには定評があった。

が、俄然評価の高かったのが「インプロ」つまり、即興演奏。割と早い時期に脱・ペンタトニック・スケールしてたような気がする。

これを、今おもうとステューデントだった頃の自分の傾向とえらく類似しているなと思った次第で。

なにかというと

しっかり曲を演奏する:定められた範囲内をしっかり学習≒定期テスト
インプロ:あらゆる範囲から出題され、地力を試される≒実力テスト

という(やや極端だが)ワケ方をすると、はい、あのその、私は、そのあの、たいへん学校の勉強がキライだったので、殊に高校生の時なんぞは、定期テストはつねに赤点ギリギリか、あるいはガチで赤点ゾーンに踏み込み、レポートや補習の常習者であったの。

だけれども、どういうわけか実力テストでは(大したことはないものの)そこそこの点数を取っていたの。

長期記憶がいいのか、はたまたレポートや補習での強制的反復学習が功奏したのか、ということもあるだろうが、テスト範囲に絞った勉強というよりも、その中から汎用的なもの、いわゆる「テスト範囲」から逸脱しても、つぶしが利いて、使いまわせるものをアタマにとどめておく傾向が、そちらのほうにもあったのかも知れないと思う。

繰り返すが、音楽といっしょで、学業においても両方が大切であるのは言うまでもないのだが。

実力テストに強いのと、インプロがウケる。には、やや共通のものがあるのでは、などと。あくまで妄想だが。

それにしても、練習の虫だったなぁと。

いま、懸命に(ギター弾きとしての)リハビリをしながら、そして季節がら、定期テストの話題などを耳にしながら。

練習したなぁ、と。

特にテスト期間中!(笑)

※1 5連符は「さだまさし」派と「天地真理」派がいるらしい。
※2 シンコー・ミュージック社刊の「YOUNG GUITAR」誌

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