「アプサン」を飲みました。

アプサン

昨日は、銀座のバー「Rubato」さんで、楽器運びと調律のお手伝いをしました。

前回もだったのですが、こちらに来ると、美味しくて、つい人に話したくなるようなお酒がございまして、感激して飲んでしまうのですが、今回は、ものすごく旨いジンもですが、こちらをいただきました。

アプサン(Absinth)です。

音楽作りが好きな人間にとっては、Native Instruments 社のシンセ・プラグイン「ABSYNTH」を彷彿とするんではないでしょうか。おそらくアプサンという言葉に「abstract(抽象的」と「synth(シンセサイザーの略」をくっつけたものをのっけたものでしょう。ABSYNTHのヴィジュアルに使われている緑は、もろにアプサンの色からきていると思われます。なんか、イキですよね。

さて、アプサン。19世紀における廃人製造機のようなイメージを持たれていて、デカダンというか、自己破壊の美学の甘い香りを感じさせるお酒なのですが、実際はアプサンに中毒性があるというよりも、アプサンをかたる、当時の質の悪い酒全般によるもだったというのが、実際のところのお話らしいです。

加水したアプサン
加水すると、このように白濁します。

これは、僕の飲んだことのあるものの中では、トルコの「ラク」というお酒と、良く似ています。

というか、僕はホントにアプサンをいただくのは初めてだったのですが、やはりニガヨモギの香りがするものとばかり思っていたところ、むしろフェンネルの香りが強く、上記の「ラク」の親戚(甘いやつ)みたいな感じを受けました、が…。飲み進めるうちに、やはり色んな複合的な香り・味で、たいへん乙な酔いがあらわれ、これは、ハマるかもしれないな!と感銘をうけました。

これをチビチビやりながら、「記譜法の歴史」なんて書物をアテに会話がはずむ、というとても楽しい時間を過ごしました。

アプサン、よかったですよ。むしろハーブ酒(リキュール)というか、無理に言えば健康志向っぽい味もしないでもないくらい。美味しく楽しまれ、かつての汚名を返上してほしいものです。

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