見上げれば、黒い星。

「デイヴィッド・ボウイが死んだ。」

そう、それは、なんてなんて美しい言葉だろうか。

そして、

なんて、なんて、なんて悲しい言葉なんだろうか。

訃報にふれたのは、その日の夕方。僕は、もらえる連絡がもらえずに、新宿の東南口で途方にくれていたころ。

正直最初は、「なんと、あっぱれな!彼らしい!美しすぎるぞ!」と、

悲しみよりも、驚嘆を感じた、圧倒的に。

だって、その日に「ラザルス」のPVを観てたからね。

問題はそのあとだ。

なんだこの巨大な喪失感は。

もちろん親しいわけではない、会ったこともない、親戚の誰かでもない、なんも関係のない人なのに。

未だに、そのことを思うと、息するのも苦しい。

でも、彼と同時代に生きられたことを誇りに思います。

何度も同じハナシになるかもしれないけれど、僕が彼に出会ったのは、NHK-BSで放送した「Glass Spider Tour」を叔父が録画したVHS。本体はスレヴァシュの初代ドラマーに借りパチされて行方不明だけど、本当はなによりも大切なものだった。

僕は中学2年生、ボウイ40歳のときの、どこぞのランキングで「最下位」になったアルバムのツアーだ。

ギターは、ピーター・フランプトンとカーロス・アロマーのしびれるコンビネーションだった。

あろうことか、YouTubeにまるっと上がっている。

これは、DVDと同じもので、「ジーン・ジニー」あたりから、フランプトンのギターのレヴェルがやたら下がる。「サティスファクション」のリフもかすかにしか聴こえない。この際、MIXしなおして再発してくれよと思う。

でも、これ、40歳だぜボウイ。

この映像で、僕は見事に道を踏み外しました。これだけは間違いないです。

高校にはいっても、大学にはいっても、演劇をやっていても、誰彼なくこのビデオを見せてまわった。

「これ」だと。

人生が、変わったのだ。

「デイヴィッド・ボウイが死んだ。」

そう、それは、なんてなんて美しい言葉だろうか。

そして、

なんて、なんて、なんて悲しい言葉なんだろうか。

このブログの、David Bowie関連のエントリは以下

[ラジオ・ベビスネ] #1 ‘Space Oddity’ by David Bowie [名曲探訪]

スケアリー・モンスターズ

もういくつか書いた気がしますが、おんなじことしか書いてないと思います。

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