デモでも作ろうか その1

我が家のマイクプリ

エレクトリック・ギターを担いでの、バンド稼業から一転、アコースティック・ギターをかき鳴らし歌うスタイルを中心に据えたライヴ活動を、積極的に行うようになって、はや2年ほど…。

それまでのオリジナル曲も、アコギで演奏する用にアレンジしなおし、骨組みだけになってさらに魅力的になったものがあったり、そろそろ、ライヴでケイイチロウ氏とやっているスタイルの音源が作りたくなってきました。

…いや、ちょっと違うかな。前から作りたかったのですが、本腰をいれて動き出したというのが正しい感じですが。

先日のライヴが終わってから、いくつか練習やライヴの録音を聴いて、それぞれの曲のいちばんカッコいいテンポ(つか、「演奏スピード」って感じ)を書き留め、Logic Proでガイドトラックを作成。

今回は、場当たり的にやるのではなく、曲のキーも最適なものを再調査していきたいので、ギターパートもだいたいのところをMIDI音源で作り、青写真を描く。メロディも、ライヴや練習のテイクを聴いて崩している部分とか、良い感じであれば採用してヒネっていく作業。

で、おもむろにMacにギターをつなぎ、仮のキーで色々と弾いてみる。ベースやパーカッション、キーボードなんかも付け足して、イメージを広げていく。とりあえず自宅であるので、アコギもサウンドホールにスポンジでフタをしてラインでのみ収録。

後日、某スタジオにて、仮ヴォーカルとアコギをマイクにて録音。その時に活躍するのが、冒頭の写真のブツ、マイクプリアンプです。ART の TUBE MP 名付けて「プリちゃん」であります。

かつて「モルフェウスの猫」という音源を作った時に購入した時、バンドメンバーが「何それ?」と非常にイヤな顔をしたシロモノです。たしかに「何?マイクプリって」と言われて、その劇的な効果について口頭ではなかなか説明しにくい。「またヘンなもん買ってこのオタクが…」みたいな反応でした…が…。

実際にヴォーカルを録音する段になって、大興奮!もうナシではありえない状態に。単にエンジニア向けの道具ではなく、プレイヤー視点からも、とんでもなく強力なデバイスであると認識しました。

何をするものかというと、マイクロフォンというのは、空気の振動を電気信号に変えて記録するためのモノなのですが、基本的にマイクが出す信号というのはとてもかすかなものですので、それをテープ(笑)なり録音機器に送る前に増幅してやる必要があります。マイクと録音機器の間につないで、マイクからの信号を、記録しやすい大きさに増幅する装置です。

本当は録音の際に必ず必要な道具なのですが、あらためてこういうものを購入すると白い目で見られる理由は、だいたいの録音機器に、このマイクプリ機能はすでに備わっているからなのです。あらためて買わなくとも、たいていのレコーダーにはマイクプリが付いているということです。それをわざわざなんで何万円も出して…となるわけで。

が、しかしこのプリちゃん、その増幅の時点でものすごく音を太く、かっこよくしてくれるのです。これには、増幅するために「12AX7」という真空管が使われているというのもひとつの理由です。

とかく、音声信号というのはある意味不安定で曖昧なもので、なにか機器をひとつ通す(たとえそれがシールドケーブルだけとか、チューナーのバイパスとかでも)だけで、再生して耳で聴く音に少なからず影響してしまうものなのです。普通はそんなイメージはないかと思います。

ただ、とにかくこのプリちゃん、通すと本当にお気に入りの音になってくれます。ヴォーカルにも、ギターにも、なんにでも使います。

で、色々録ってみたのですが…。

ということで続きは次回。

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