「ビートルズの作曲法」を、iTunesで原曲をかけたり、電子ピアノを前にして、ポロポロ譜例を弾きながら読了。
ちゃんとした音楽教育(まぁいわゆる「音大」)を受けていない僕にとっては、こういった専門家によるアナリーゼ本はとっても面白い!たぶん、先生方はみんなやっているんだけど、ホントに教育受けてない人にはどうやっても越えられい壁があって、感覚だけでやってしまうところがあって。
デビューから40年、もう、ペンペン草も生えないくらいに研究しつくされた感があるビートルズナンバーだけれど、ポールもリンゴもまだ現役。ラジオでもかかり続け、新たなファンを拡大しつづけていまして、その中でもけっこう面白い内容の本ではないかと思いました。何十曲もコピーしたおっちゃんでも、いや、だからこそ面白がれる「そうそう!そういう風に言ってほしかった!」なところも多々ある書物です。
今回は「T/D/SDという機能和声からはずれたコード→経過的に使うブルーノートを主体としたコード」という考え方に目からウロコ。bVIIとか、いつも部分転調だと思ってたのが、そのほうがすんなり入ってくる〜!無理くり「従兄弟の娘の隣にすんでる人」って考えなくてもいいんだ…。といったような塩梅。
とにかく、へんなこじつけもなく、歌詞や当時の時代背景、連綿と続く西洋音楽の歴史がどう彼らに流れ込んだのか、など、僕自身が思っていたこととの裏付けなんかもとれた気になってすごくスッキリした1冊でした。
楽曲・音楽理論という構造的な面も、歌詞/イメージから解析する部分も、はたまたサウンド/エンジニアリングの部分も、どれが欠けてもビートルズにはならない。アートとテクノロジーそして「時代」も(ジミ・ヘンドリックスもしかり)また大事なんだなと考えさせられます。ビートルズとジョージ・マーティン、ブライアン・エプスタイン。そしてニールやマルたちは、とにかくがむしゃらに面白いことをやっていたんだろうけど、その感性がやはりその時代を生きる人間の「面白さ」とマッチしていて、それでいてなにか新しい、なにより大事なのは「これまで」を大事にしつつ「これから」を作ったことなんだということが浮き彫りにされています。
音楽をやる人も、聴く人も、これはすごく面白いと思いますよー。