さりとて過去の音源よ

2月から体調をくずし、どうにもならない日々が続いていますが、復調をめざして虎視眈々と、できることだけでもと考えておりますが、昔つくった音源の中身をのぞくことを、調子が良かった1月中にやっていたので、それを眺めたりはしています。

最近の曲のデモでは「水曜日」が、パート別に分けるととんでもない数のギターを多重録音して重ねていますが、過去の作品でも、自分でもきっちり確認していないけれども、たくさん重ねた記憶のある曲に、「Crescent-Moonrise」というのがありまして、先日数えたらば、エレキギター10本、アコースティックギター8本の計18本が鳴っておりました。シンプルな曲なのにねぇ。

なぜきっちり覚えていないのかというと、単に作っているうちに「このパートとこのパートとこのパート」というふうに増殖(「野合ダビング」と呼んでいます)していった次第で、結果ミックスダウン時にまとめるのにとても苦労することになったりしたのであります。

Queenというか、ブライアン・メイ・サウンドや、はたまたスティーヴ・ヴァイ氏もよく使うギター・オーケストレーションなどは、ちがう音程の単音フレーズによるハーモニーを別々に録音することによって、歪んだギターの持つ、擦弦楽器的なレゾナンスが活かされて非常に美しく、私も大好きなのですが、ほかにも同様の効果を得られる、2本のリードギターによるハモり、いわゆる「ツイン・リード」も素敵です。ハイウェイ・スターや、ホテル・カリフォルニアの最後のほう、バンドでいうとシン・リジィや、書き出すとキリがないほど、ほかにもたくさんあります。

が、私がけっこうやるのはリズム・ギターやアコギのストラミングなどをムチャクチャ重ねて厚みを出すやつです。クリーンサウンドの中に、すこしアンプで歪んだ音などが混じって、なんの音とは評点しがたいのだけども、なにか「ロックの音」のかたまりが聴こえてくるのが好きです。おそらくジョージ・ハリスンの「マイ・スウィート・ロード」あたり、いわゆる、フィル・スペクターのウォール・オヴ・サウンドがひとつ、心にあると思います。

がですね、重ねるということは、これはツインリードを含むギターハーモニーにも同じことが言えるんですが、タイミングやニュアンスをきっちりそろえないと、なんか、ふわふわもこもこした、曖昧でぼやけたサウンドになってしまうので、そこは、むしろ「重ねた効果がわからないくらい、きっちり揃えて弾く」(勿論どんだけ名人でも、位相レベルまでおなじ音を出すのはほぼ不可能なので、それでも効果はでます)というを繰り返して、はじめて狙い通りの世界になるという、シビアなモノなんでありますよ。

ま、私はそこまでできているか、というと、お恥ずかしい限りですが。

ということで、ライヴに向けて復調活動にはげみます。

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