「きっと」で作る、バロックギター製作記 #2 キット、うまくいく


↑Amazonの商品画像に直リンクですが、キットの内容です。

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話は2016年2月11日に遡りまして…。

実は、バロックギターあるいはルネサンスギターといったたぐいのアーリーギターを作ってみたい、という気持ちはずいぶん前からもっていました。実家にころがっていた安価な教育用のクラシックギターを、勢い余ってバラしたこともあります。使えませんでしたので、破壊しただけの結果ですが。

実家にころがっていたクラシックギター
↑ヒール部にクラックがはいっていたりと、経年変化による豪華仕様が目立った。RIP。

実は、実弟がギターキットをよく組む男で、なにかとそういう話、まぁ私自身の葛藤を投げかけていたところ、何年かに1度流通する、HOSCO社のクラシックギターキットがAmazonに出ているぞ!という情報を呉れまして、注文したのです。


↑ずーっと品切れ。私が購入した時は¥ 14,600でした、参考までに。

HOSCOのキットは、ストラトやMartinドレッドノートタイプのアコギ、はたまたウクレレキットなどが有名で、けっこう作ってらっしゃる方がいらっしゃいますが、このクラシック(スパニッシュスタイル)ギターのキットは、ずっと品切れになっています。つか、弟が見つけるまでも、年単位で品切れになっていたようです。生産量・サイクルの都合かな?HOSCO社の公式ラインナップにも現在は出ていません。


いっぱい出てますね、HOSCOのキット。フライングVとか面白そう。

うまく受け取れずに、再配達をしていただいた記憶がありますが、おそらく2016年の2月中には受け取っていたと思います。

なぜに1年以上も寝かせておいたかというと、上記の事由により、入手するにはそのタイミングしかないと判断せざるを得なかったのですが、実際に組み上げる自信やリソースはともかく、そのころ、私は恐ろしい頭痛に悩まされ、社会生活も半分以上ままならぬ状態になっていたので、どちらにせよどうにもならなかったといえるでしょう。

さらに、そもそもキットをそのまま組み立ててクラシックギターを作りたいというわけではありませんし、ネットでも書籍でも、HOSCOのクラシックギターキットでバロックギター作ってみましょう、などという情報は(おそらく)ございません。そういう意味では「情報のなさ+初心者」という部分でもハードルが高かったといえましょう。ギター製作やキット組立ての経験があれば、まだ取り組む端緒も見えたかもしれません。

そもそも、以後の記事で書いていきますが、いわゆる現代のクラシックギターとバロックギターでは、同じギターといえどもパーツや構造で見ていくと大きな違いがありすぎ、このキットの流用でバロックギターを作る、というのは「1/144のガンダムの(旧)キットを流用して、パーフェクトガンダムを作る」という、昔コミックボンボンでやっていた企画くらい面倒といいますか、ほぼフルスクラッチにちかい工作になりました。


↑…私が子供の頃は、同じキットが300円でしたが。何十年ぶりかで友人が買ったところ「もう、経年劣化でモールドが甘くなっていて、パーツの成形がアレすぎて笑ってもうた。でも懐かしくて甘美なキットだ」と言っていました。生産・販売をずっと続けてくれているバンダイさんに敬意を表します。

結果論としては、しかるべきところで、しかるべきカタチ・大きさに製材された材料を集めることができれば、ガチのフルスクラッチも可能だったけれども、その心理的ハードルを下げるために「キット」というのは私(元プラモ少年)にとってはたいへん有効であった。が、元来ちがうモノを組み上げるためのキットであったため、そこをアジャストするためのむしろ難しい工作や、パーツ化されているがために(材木からの工作よりも)加工が難しいところも発生した、というところです。ただ、ライニング材などはそのまま使えましたし、現代仕様のパーツから作り出すことで、アーリーギターとの設計思想・指向の違いが生々しく感じ取れました。結果オーライで。


↑大きさも、考え方もずいぶん違う

しかしまあ、なんというか…まっとうにクラシックギターを組み立てることを思うと、せっかく優れたキットを安価で提供してくれているHOSCO社にちょっぴり申し訳ないです。

そして2017年初頭、あるお仕事の話が舞い込んできました。あのトリオで、また演奏しないか…と。

そこから、モソモソと私の妄想というか、押さえきれない衝動が大きくなるのです。「それやったら、アレ作って参加したい…」と。

しかし、依然ハードルは高い。私はキットの段ボール箱を抱きしめながら懊悩を続けます。頭痛もまだある、しかし…と。

そして強力な助け舟の存在に気づいたのです。

つづく

「きっと」で作る、バロックギター製作記 #3 きっと助けがあらわれる

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