「きっと」で作る、バロックギター製作記 #1 はじめに

6コースだったり、ブリッジにサドルがあったり、はたまたペグがウクレレ用の金属製だったり「ぬえ」みたいだけど、私の可愛いバロックギター


わたくしBabySnakeは、本名の山上洋路としてごくごく小規模ですが、ルネサンス/バロックの音楽活動もさせてもらっています。

ルネサンスやバロックといえば、いわゆる「古楽」(実際はバロックまでいくと、かなり今聴かれる西洋音楽としての完成形に近いので、もっと昔のものが「いにしえの」音楽なのでしょうけれど)であり、こんにちに於いてはその演奏で使用されるのは「ピリオド楽器」や「古楽器」といわれる、その音楽が演奏された当時の構造・スタイルにちかいものが中心なのですが、あいにく私がこれまで参加した際はタカミネのエレアコにオックス・ガット弦を張ったものや、金属弦のヤイリ・ノクターンをそのまま使用したりしていました。

加久間朋子さんとのサロンコンサートの様子

2012年10月・樹下美術館での演奏の様子

はい、それでもいいと、私はロッカーだと、あくまでロック方面からの異邦人としてアンサンブルに参加していたつもりだったのですが、いちど素晴らしい19世紀ギター(ラコートスタイル)をお借りしての現場があり、もう、とても感動したのですね。もっとも時代考証的には、ロマンティック・ギターで17・18世紀の音楽を演るのはチグハグだったかもしれません(実はこういったズレはずっと続くのですが)が、現代の構造の楽器ではないもの。そこに優劣はなく、考え方や使用目的の明確な違いによる音づくりやプレイアビリティの違いが、深く私の心をとらえました。

奇抜なデュオですが…

そうです、ここにきて、私も18世紀以前のスタイルの楽器が欲しくなったのです。

が、深く私の心をとらえたピリオドスタイルの楽器達は、私の財布もがっちょりとらえる、というか引きちぎったついでに私自身も引きずりたおさんばかりの、初期投資をともなうものなのです。

もちろん、御茶ノ水に行って「バロックギターください」と言っても、楽器店に吊るしてあるものではありません。そうです、ほぼオートクチュールなのです。当然といえば当然なのですが、なんやかやと、録音機材たらエフェクターたらに金銭を注ぎ込んでいる身には、「よっこら、ほなバロックギターでも買おうか」とはいかないド迫力の価格帯。

そこで私は考えました。

「自分で作ったれ」

そして、ひと夏をかけて1本のギターが誕生しました。

これは、楽器製作はおろか、木工初心者(中学の技術家庭科どまり)、クラフトといえばガンプラ素組み程度のギタリストが、汗と涙と鼻汁と粉塵にまみれ、1本の18世紀スタイル(?)のギターを作った、アツい奮闘記であります。

つらつらと書いていきますので、よかったら読んでください。

つづき→ 「きっと」で作る、バロックギター製作記 #2 キットうまくいく

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