ロマンティック・ギター(19世紀ギター)を触ってきました!

Babysnake-with-Lacote台風は去ってくれたものの、なにやら微妙なお天気でプチぐったりしているBabySnakeです。

本日の天候こそパッといたしませんが、台風一過の昨日は、もういいお天気すぎるくらいの日和でありました。暑いやら眩しいやらで、土から掘り出されたモグラくんのように目をぱちくりしてお出かけしました。

そう、お出かけしたのです。湘南・茅ヶ崎へ。

実はわたくし、先月よりですね、ギター的に自分を見つめなおす目的で(なんじゃそら)プロ/講師のためのレッスンを受けております。シジューの手習い(フランス語っぽい)であります。

で、そちらのお話も近日書こうと思っておりますが、昨日はその後、今度のコンサートシリーズ「Bar で Baroque at ルバート」での使用チェンバロを用意してくださる「ムジカ・アンティカ・湘南」へ遊びに行き、結果、お仕事を盛大に邪魔してしまいました(笑)野村社長、渡邉さん、お世話になりました〜。

ということで、ブログのセオリーとしては長文はイカンのですが、以下訪問記となります。

そして、そこで、ええ、わたくし、知っておりました。湘南にはイケナイものが堂々入荷されているのを、そのメルマガで。

そうなのです、以前わたくしは、こちらから「ギター用のTOROガット弦」を購入し、エレアコに張って使用していたのですが、なんとムジカ・アンティカ・湘南では、ロマンティックギター(「19世紀ギター」という呼び方もされます)の取り扱いを開始されているのです。
ムジカ・アンティカ・湘南のご紹介ページ(必見) → www.coastaltrading.biz/2013/12/post-437.html

ヤバいこれはマズい。触れてはイケナイ。なぜならば19世紀ギターといえば、クラシックギター以上にマニアの集う濃ゆい世界。こ、こ、こ、コレ以上なんやかんやと足を、いや手を、もとい首をつっこんではイケナイと。そしてサイトで見る限り、これは手にとったが最後、欲しい欲しい病の重篤きわまりないアレに羅患すること必至!と、自分でいろいろと心理的にバリアーをはっていた、の、で、す、が…。

野村社長、「あれ?山上さん、ギター弾くよね?」と、たいへんカジュアルにオススメくださいまして(涙目)…あ、あ、あ、いけませんわ、あれ、あなたさまはそんな、あ、あ、あ。などとアワアワひとりで言っているあいだに、目の前にはトビっきり可愛いラコートスタイルのギター。結局、ヨダレをたらさんばかりに試奏させていただきまして…。

いやはや、エラいこっちゃ、コレは、もう、ホントに、素晴らしすぎるのです。

もちろん手工芸品として一級ということもそうですが、なにより、か、可愛い…。

そしてサウンド。これはプレイアビリティにもつながりますが、ホントに軽いタッチで、ポーンと音が飛び出す感覚で、とにかくレスポンスがいいのです。私なんかの目からみれば細いほっそいフレットなのに、いわゆるハンマリング/プリングでのレガートの表現がものすごく楽に「思った音にとどくためのコストが低い」感じなのです。チカラをいれるのではなくて、それより表現のための丁寧さを注入する余地がたくさんある感じですね。そう、全体に楽器にも弾く方にも、「繊細」ではなく「丁寧」が溢れていく感じです。

こういった小型のボディの楽器だと、弾く前に気になるのが「音量」と「ローが出るのか」ということだと思うのですが、実際にフルサイズのものと聴き比べたわけではありませんが、まったく気になりませんでした。おそらくローに関しては、音程以上の(以下の?)ドーンという鳴りはありませんが、音楽を構成するうえでの低音の役割は十分あります。というより、ハイからローまで楽器全体のバランスがよいので、対比による錯覚もあるのでしょうけれど、とてもリッチに「美味しい低音」が得られる感じです。モダンギターより甘く、リュートほどくぐもっていない感じ。

そういう意味では全体の音量も、これまたバランスのなすワザ(中域がリッチで、低域がひっこんでる)だとおもうのですが、実に大きいです。見た目とのギャップをかなり感じます。試奏している部屋にぱっと入ったら、おそらく二度見必至です。

ネックグリップが独特で、握った感じは、ボディからナット方向を見た場合の断面が、極端にいうと「レ」なぐらい、低音源側がハードなUシェイプで、高音源側が比較的Vシェイプ、というような、ちょっとアシンメトリーなネックに感じました(きっちり測ったわけではないので、あくまで感覚です!)かといって、弾きにくいことはまったくなく(さすがに親指ルートのFコードは無理ですが)手の小さい私でも、たいへん弾きやすいギターでした。むしろ、エレキを弾いていて、スティール弦アコースティック・ギターに「手が痛いぜコンニャロウ」とストレスを感じている人は、天から光が射してくる感じなのではないでしょうか。

ボディの大きさ、ネックとのバランス、フレットの太さも、ギターが単弦6コースになったその時代のもの。そしてやはり弦の違いも大きいと思います。これは上記の感想すべてに、ギター本体だけでなく、張られている弦の特徴が含まれていると思います。

これに張られているのは、いわゆるクラシックギターのナイロン製ではなく、1〜3弦までがリアルガット(動物の腸をなめしたもの)と、4〜6弦が、絹糸に銀線を巻いたもの。これはかつて私もエレアコに張っていたものですが。素晴らしいサウンドです。(私は楽器との相性と用途のため、しばらく使っていなかったのですが)もちろん、ナイロン弦が開発されて一般化されるまで(だいたい第二次大戦前後?ヨーロッパではもう少し早かったのかもしれません)はギターにはガットでできた弦がはられていたので、素材の持つ太さあたりの張力などは、これらのギターが発想・発明された当時のものに、より近いといえます。

なにより、弾いてみればなるほど、ギターってのはこのサイズで生まれて、このような弦がはられて、このようなものだったのだなぁという実感…。とにかくため息がでるくらい魅力的な楽器でした。

そしてカスタムモデルと、スタンダードモデル(材・チューナーなどが違う)ほかにもローズバックのものや、通常のクラシックギターと同様のギアチューナーのものなど、光栄にも色々と触らせていただきました。

なかでもやはり、ラインナップ中の上位機種であるカスタムモデルが、鳴り、操作性そしてチャーミングさに於いて(あくまでも私見ですが)ぐっとせまるものがありました。どの子も素晴らしい楽器ですので、ここまでくると好みの問題だと思いますが…。

で、で、もちろん、薄給の身にはお値段もロングブレスため息でございますのですが、これまたなんか臓器を売ろうかと血迷うほどに魅力というか魔力のある楽器で、本当になにやら目眩がして、急に何もかもウワの空になり、なんともニベもない金策ばかりがあたまをループする状態に陥ってしまっていたところ…

ここでニュースです(笑)

なんと、瓢箪から駒といいましょうか、この素晴らしいギター、なんと、今度の10/25,10/26の、Bar Rubato でのコンサートで使わせていただけることになってしまいました!ぐええ(プレッシャー)、もとい、わー!!
babysnake.jp/blog/?page_id=2303

BarでBaroque atルバート フライヤー

わたくしごときの演奏で、はなはだ恐縮ですが、それでもこの楽器の素晴らしさは体験していただけると確信しております。今回のコンサートは、このロマンティックギターの、素晴らしいサウンドをお聴きいただけます。

10/25は、チェンバロと、合奏したりソロだったりの予定です。10/26は、リコーダー&チェンバロと演奏させていただきます。

どちらも、16〜17世紀のイギリスの音楽の、おもに宮廷ではリュートで演奏されることの多いパートを、市井の庶民たちはギター(当時は4コースや5コースのものだったと思われますが)で置き換えて演奏し、皆で踊っていたであろうというような演奏になると思います。

最後になんだか宣伝になって恐縮ですが、あらたに見どころ聴きどころが増えた「BarでBaroque at ルバート」に、ぜひぜひご来場ください。

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