ゴマすり半生記

またしても音楽とはかけ離れた内容のエントリになることをあらかじめお詫びしておきます。

わたくしBabySnakeは、パスタマシンを所有しており、たまに中華麺などを作成したりします。
その時に、かかる手間に倍する愉悦を与えてくれるメニューに、自家製麺による担々麺、というのがございまして。

その際、非常に大量に消費されるもののなかに「練りゴマ」というものがあります。ゴマがドロドロのペースト状になり、なんというかピーナッツバターのような体をなしたものであります。中華料理の食材としてカルディなどで売っています。

これがなんとも、なんというか、ちょっと割高感があるのですよね。(メーカーさんごめんなさい。クォリティは尊重しております)

そこで、というか、まぁこれは本当にわたくしの趣味みたいなものなのですが、この練りゴマ、自分で作ってしまおうと。

そうなのです、わたくしはゴマを擂る(調理では「ゴマをあたる」と言いますね)のがなんというか、とても大好きなのであります。

……ということで、以下、またしても変態めいたお話が続きます。

取りい出したるは、100円ショップ他で売ってある「いりゴマ」

いりゴマ
は、半端でごめんなさい…。

そして、使用するツールは、以前親類からもらった、オランダはPHILLIPS社製の小さなフードプロセッサ(フードチョッパーと書いてある:10年以上カレーとかに使っているがヘタる気配なし。素晴らしい!)、と「すりばち」と「すりこぎ」そして「スキージ(へら)」。恥ずかしながらわたくしの場合はフードプロセッサ以外のツールもすべて100円ショップで入手したもの…。

そして驚異wのその製法は…

まずは、いりゴマをフードプロセッサの容器に入れ

いりゴマをフードプロセッサにセット

刃とモーターをセット。

ゴマをプロセッサ

びゅいーん!

すります。

第一段階終了。

第一段階終了

すり鉢に移して、すりはじめます。

すり鉢にイン

実は、この段階(フードプロセッサで挽いてしまう)でも中華用のあたりごまを作ることができます。実はそのほうが実用的だと思います。

こちらで紹介されています→芝麻醤の作り方/レシピ : 中華のツボ! 玲舫’s ぶろぐ

が!わたくしにはこの続きがございまして…。
まぁとにかく、あとは、すりこぎを用い、ただひたすら『摺る』だけ。
はい、なんというか、好きなんです。この作業がッ!

すりこ木でする

「ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ…」

ごりごり摺る

さらにゴリゴリゴリゴリ。
おお、なんかゴマから油分が染み出してきて、「しっとり→ねっちょり」に変化してきている…。
わはは、おもろー!

けっこうなめらかに

ゴリゴリゴリゴリガリゴリゴリゴリガリ…
うーん、なんだかペッタリしてきて、徐々にペーストになってきているではないかッ!!
まぁ、実はこのあたりでかなり腕がだるいのですがね。チカラの入れ具合というか、容器(すり鉢)の形状や大きさで、なかなか固定もむずかしいので、けっこう変なところに集中的にりきみが生じるので、これはこれでけっこう厳しいのですよ。
しかしもう、このあたりまで来るとホントに面白くてやめらんなくなってます。

どろどろ

ゴリゴリペタペタゴリゴリゴリペタゴリ…はぁはぁ。いてててて(腕)
だんだんと、油分でツヤが出てきております。こういうふうに真ん中にまとまってダンゴになっちゃうので、これを伸ばしたりまとめたりを繰り返しながら、ひたすらすり鉢の斜面に、すり付ける!うひひー!

完成!

ということで、このあたりまでなめらかになったところで、スリスリ完了!!
腕がなんかおかしいですが、おつかれっしたー!!
あー、いい汗かいた…。

ツールと敵

が、ここからがさらにプチ難関であります。
すり鉢の「溝」にたまったゴマですが…。これらを楊枝を複数グリップしたもので掻き出します!
もっと束ねて、輪ゴムで止めてもいいのですが、そんなに気合い入れなくても問題なく採掘できます。

採掘量パネー

そして、おもむろに溝をガリカリガリ…
そうなんです、この小さく細い溝の中、実は相当なトルクにてゴマが圧縮されて詰まっているので、掻き出すと予想以上の採掘量になってしまいます。けっこうおどろくほどたくさん出るわ出るわ…作業はメンドクサイですが、無視できない分量です。

採掘完了

採れたー!!!うぉおをををを!!!

ツールたち

そして、スキージでもってキレイに、すりこぎに付着したものも回収します…。
スキージ、キッチンにひとつあると、非常に便利ですよ〜。

全体的な生成量

さぁ、今回はたぶん約100グラムくらいの、いりゴマから、こんだけの練りゴマが生成できました!
サイズがわかりやすいので、同じ担々麺の友、山椒の粉と記念撮影!

こうやって作った練りゴマ、もちろん担々麺にばんばん使えますし、簡単にゴマだれが作れます。
青菜のゴマ和えなどに入れても、ものすごく濃厚でリッチなのができます。
あとオススメなのは、マヨネーズと混ぜてゴママヨ。味噌とまぜて、野菜のホイル焼きなんかに使うと悶絶です。牛肉ステーキを食うときに(そんな機会が滅多とあるかどうかというのはr)味噌・梅肉・みりん・醤油と混ぜたソースが素晴らしいです。

そしてもちろん、味わってもたいへんに美味ですが、ソレ以上に、なんか、この、この!このプロセス!

粒であったゴマが、ゴリゴリとすり潰されて、「え〜?わりとドライな感じやったやんなぁ自分」みたいなアレから濃厚な油分が染み出し、なんとペーストになってしまう、このダイナミックな感じが本当にッ!

すりこぎを伝うすり鉢の「溝」のヴァイブレーションが、心を震わせます。まさにグルーヴ(溝)!

日頃味わえない、フィジカルかつ独特な体験。目の前で繰り広げられるメタモルフォセス。

これはネットでもそのほかのメディアでも味わうことのできない、ひとつの「参加型食材エンタテインメント」の金字塔であると主張したい!

若者よ、書を捨ててゴマをすろう!

…などとアホなことを言いながら、深夜むくりと起きだして、今夜も地球のどこかで僕はゴマをすっているのです…うふふ…。


つか、アマゾンって、こんなのも売ってるんだ…。

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