先日、ムジカ・アンティカ・湘南さまへお邪魔し、なんと前日スペインの工房より届いたばかりのビウエラ(ヴィウエラ)とバロックギターを体験してきました!
以前はロマンティックギターを触らせていただき、さらにコンサートで貸与していただいたのですが(その時のお話はこちら→ロマンティック・ギター(19世紀ギター)を触ってきました!)
今回はさらにマニアック!
こちらはビウエラ(Vihuela de Mano)イベリア半島から中南米で、15世紀ごろから流行り、17世紀ごろ急激に衰退してしまった復弦6コース(1コース目のみ単弦の11弦)の楽器。当時のチューニングははっきりとはわからないらしいのですが、今回はギターと同じEBGDAEでした。あ、A=415Hz なのでアレですね、ジミヘンです。半音下げチューニング。6コース目がオクターヴ高いEなので、ちょっとウクレレ的な軽やかさがあります。
スーパー乱暴な言い方をすれば、(チューニング次第では)小型の12弦ギター的と言えなくもないけども、まったく別の楽器です。だいたいフレットがちがう。ネックに金属が打ち込まれているのではなくて、ヴィオール達とおなじように、ガット弦を巻いてあるのです。
(だから、ギタリストは楽器を手に取る時にネックを握りますが、これらの楽器ではNG!フレットがズレると音律が狂うのです)
こちらはローズ(サウンドホールの飾り)のアップ。素晴らしい…野村社長は「3Dプリンターで作ったんじゃないでしょうねえ(笑)」と恐ろしい冗談をぶちかましておられましたが、ちゃんと作られてましたよ。
とにかく、イベリア半島からリュートを駆逐するほどに隆盛をきわめたものの、いちど「滅びた」楽器なので、僕の知識ではオリジナルは残っていないと勘違いしていたのですが、これは現存するオリジナル楽器(南米で発見された)を、スペインの名工が再現したもの。とにかく、かわいい!
とにかく、タッチからなにから、音を鳴らす感覚がまたひと味ちがうので、慣れるまでちょっと時間かかりますが(そして調弦タイヘンですが)すぐ虜になりますねー。
で、こちらがバロックギター。これまた復弦5コース(EBGDA:1コース目のみ単弦の9弦)なので、手に取ると一瞬面食らう!キース・リチャーズか横道坊主か!?(笑)しかしこれまたとてつもなく魅力的…
ボディもネックも、上記のビウエラよりも少し大きめ。
しかし、実はこのバロックギター、オリジナルはビウエラ(6コース)として作られていたものなのですが、こちらを製作した製作者が「ちょっとナットの幅が狭いんだよね〜、バロックギター(5コース)にしちゃうよ〜」と、生まれる段階でサファイア王子みたいなことになったとのこと。
ちなみにこちら、当日わたしが工房出荷時のナイロン弦から、リアルガット弦に弦の張替えをやりました!(全部は間に合いませんでしたがトホホ)
野村社長が弦のゲージを計算されたものを順次張っていく感じで、音色がどんどん変わっていって、実に楽しかった!
はい、こちらはバロックギターのローズ。キレイですねー欲しいですねー(笑)こちらも巻きフレットです。
あー、なんかこういう楽器たちで弾けるレパートリーが欲しいな、ちゃんとしたやつ。いつもの「なんちゃってグリーンスリーヴス」だけじゃなくて。
こちらの楽器たちに興味のある方は、下記までお問い合わせをドーゾ!
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コースタルトレーディング(ムジカ・アンティカ・湘南)