ギターというか、楽器は自動車や単車と似ていて、乗らずに放置すると色々と問題が生じるがごとく、弾かずに放置すると色々と問題が生じたり。
そして、なによりけっこう維持費(金銭的コスト・人的コスト)がかかります。
先日は、アコースティックギター(ヤイリのノクターン)をリペアに出し、フレットを打ち替えてもらったりしたのですが、そういったメンテも常に必要で、やはり緩やかに消耗していきます。
そのなかで、わたくしは、エレキギターもアコースティックギターも、基本的にきわめて弦高を低くして弾くので、とかくネックやフレットまわりの調整を神経質にやることが多いです。
どちらも素人がやるとギターにダメージを与えてしまう可能性があるので、慎重に事に及ぶ必要があり、もちろんプロに任せるというのはたいへん有力な選択肢なのですが、やはり自分の楽器なので、自分で納得のいくようにメンテしたいといつも思っています。
今回は、エレキギター。ハイポジション(15フレット以上)の音づまりの解消のためにアタマをひねりました。
まず、弦高を上げる。これでほぼ80パーセントは解決なのですが、もうちょっとなんか工夫はないかと思案します。実はピックアップがボディに直付けされているので、ピックアップキャビティのザグリが浅めで、シングルコイルとハムバッカーのバランスをとると、ピックアップがかなり高い位置にセッティングされてしまい、弦高を下げるとピックアップの磁力で弦が吸われている状態なのもあると思われますので、これも弦高を上げることでダブルで解消、なのですが…。
よくギターを観察すると、ネックは13フレットあたりまで微かに順反り、15フレットあたりから定規をあてると、かすかに逆反りっぽい。さらによく見ると21フレットより上と、15フレット付近までの、フレット自体の摩耗にかなり差があります。
購入した際も、ギター自体にさほど使用感のない状態でしたが、ハイフレットに関してはほとんど押さえられた形跡がないほどで、そもそもギターのネックというのはやや反っくり返る方向に少しテーパーをつけて仕込まれているので、これはかなりビビりの要素なのではないかと思いました。
こういう場合はすみやかにリペアショップに持ち込んで、フレットのすり合わせを含むセットアップをお願いするのがベストでマストというところなのですが、そこはわたくしDIYギタリストですので、ぜひやってみたくてウズウズになってしまいまして、以下の作業計画を立てて実行した次第であります。
- 順反りを解決する方向でネックを調整(トラスロッドを回す)
- フレットの軽いすりあわせ(16フレットより上のフレットをわずかに削る)
- ザリザリしている部分が多いので、フレットをキレイに研磨
- ネックとボディの間にシムを挟んでピックアップとの距離を調整
- 弦高およびオクターヴピッチの調整
本当は写真をこまかく撮影して、作業工程をアップしたいところなのですが、ちょいと時間がないのでInstagramにアップした写真数点のみです。
時間ができた時にまた…
バラバラ事件。フレットを研磨します。ネックをマスキングテープで養生しまくり。
600番、800番、1000番の耐水ペーパーのあと、細目、中細目、極細目のコンパウンドで仕上げ。ふう。